10時20分ごろに、山に来ました。指導の大人4名と一緒に、小学校3年から、6年までの子供7人が揃いました。男のが一人で、後は女子でした。
この日は、杉・檜の人工林との違いも含めて、広葉樹の山造りは今後、いかに大切な山づくりなのかは理解できればということで企画された催しでした。
ほとんどの子供たちは山に入ったことがないとのことで、ある意味では始めて山を歩くということでした。
まず、辻本さんから「お話を聞く」ということからでした。山を知らないのだから、まず、山を歩いてからの方が良いのではないかと、考えましたが、しかし、子供たちが昼食になれば、それに熱中して話ができないのではないということで、朝の段階で、辻本さんと確認しました。辻本さんは昼食後の方が話をしやすいということで、午前中は、山仕事を予定していたのですが、これを変えてもらいました。その結果、辻本さんはこの日は山仕事が出来ずでした。
辻本さんは、葉っぱを採ってきて、それを示しながら、山の木には、広葉樹の木と針葉樹の木があって、このことをしっかりと確認することが一番の基礎ですよ!、丁寧に説明していました。そして、自分はどんな思いで広葉樹の山造りに取り組んでいるのかをわかりやすく説明してくれました。が、子供たちは、ピンとこなかったようです。辻本さんもまず、子供たちに山に入ってもらうことだということで、山を歩いてきてください。として、山に入りました。
時間の関係もあり、山歩きは、10町歩の「森林空間活用林」内としました。
こんな山に入るのは初めてということで、見るもの見るものはほとんどはじめてものばかりだったみたいで、戸惑っていたようです。山菜も食べたこともない、見たこともないという子供の方が多かったようで、秋なので枯れてきているので、理解できなかったようでした。
が、高度が上がるにつれて、遠くの景色が変わっていくこと、視界が広くなっていくことにびっくりしながら歓声を上げて喜んでいました。
そして、途中で冬イチゴが沢山、実をつけているところがあって、採って食べてと誘いました。
最初は口に入れるのをためらっていましたが、実際に口に入れてみると美味しかったようで、それからは、必死に採っていました。
ここで、この日では、始めて山の恵みを味わう機会でした。もう、初冬の山ですので、山の恵みを味わう機会が少ない時だったのが残念でした。子供たちも実際に、具体的に山の恵みに触れれば山への興味や関心が強まり、山を理解できると思いました。
戻る道は、杉・檜の林道を歩くことで、今まで歩てきた場所との違いにびっくりしていました。林内の暗さや下層植生の少なさを実感したようで、山の違いを感じたようでした。
小屋に戻り、囲炉裏を囲んでの昼食となりました。
子供たちは持ってきた食材を焼いたりして、楽しく遊んでいました。辻本さんは、ラーメンを作って提供で、子供たちも大喜びで食べていました。
2時過ぎまで、遊んで帰りました。
また来たいという、お礼の言葉が辻本さんに、そして、辻本さんは、また来てください、今日は若さをもらいましたとのお返しの言葉が子供たちに、
地元の五郷小学校の子供たちは、毎年、「環境保全体験学習」で、山に来ていますが、それ以外では、子供たちだけの集団が山に迎えるのが始めてでしたので、とまどい、対応も十分ではなかったと思いますが、勉強になりました。これからもどんどん子供たちを迎え入れたいと思います。
自然について、学ぶ最適な場所であると改めて確認しました。
山はますます冬の様相です。この日は、子供を案内中だったのでカメラを使う余裕がありませんでしたので、山歩きの様子の写真はありません。
リンドウが咲いています。
林道の入り口=湯の谷の集落の一番奥では、寒桜が咲き始めていました。
一番肝心な山づくりについてですが、辻本さんの山仕事についていっていないので、現場からの写真・報告が出来合い無いのですが、
辻本さんは、今、山の一番奥の=頂上直下の所で、「クヌギ」の直播をしています。採った実をすぐに埋めなければならないようで、根が出てくるようなので地中に埋め込まなければならいということで、山小屋からこちらの足では一時間ほどかかるところまで出かけての作業です。陽が当たらないところで、谷から冷たい風が吹き挙げてくるという条件の所での作業が毎日続けられています。
このように今、直播をしておかなければならない作業があると同時に「保育の作業」もまた、待ったなしで問われているようです。ススキや、茨が、またツルなどが繁茂する山になっているのですから、
この「保育の作業」は、いったん、失敗した後の山での作業なので、その困難・難しさは大変なようです。
その点では、森林組合の施業の失敗の責任は大きいと思います。
失敗だけでも責任は重いと思うが、それが現在の山造りの作業に困難を強制しているということも重なることで本当に責任は重いと思います。
私が知る限りでは、この点での責任ある話は耳に入ってきていません。